稚咲内湖沼群の水文特性 湿地溝の水文特性 湿原の微気象 泥炭地の地表面変動 保全ボランティアと環境教育
    湿地溝の水文特性  インドネシア熱帯泥炭地  
調査研究の目的

 サロベツ湿原の最大の特徴であるミズゴケを中心とした高層湿原域は、湿原西側からのササ群落域の拡大により、その高層湿原としての特質を次第に失いつつある。このササ群落域の拡大は、ミズゴケ湿原における地下水位の低下が原因の一つと考えられているが、ミズゴケ湿原とその周辺の地形から、ミズゴケ湿原から西方向への流出が水収支の大きな要素となっているとみられる。ミズゴケ湿原からササ群落への移行した部分にはいわゆる湿地溝と呼ばれる大小の溝が発達し、西側への水流出に何らかの役割を担っていると考えられているが、その実態は明らかではない。そこでサロベツ湿原のミズゴケ群落の西に広がるササ群落域における水挙動を把握するため、湿地溝が発達している中間湿原域において、地下水位の平面的な挙動を明らかにすることを目的とする。

三角堰および湿地溝周辺地下水位時間変化   高橋英紀 2014年10月29日
 
図  湿地溝試験地の東端(D100)、中央、三角堰の3地点における地下水位の季節変動(降水量と積雪深はアメダス豊富の値
   3月下旬の融雪時に堰の上面より50pも高い水位が観測された。今後、これらのデータを使って、湿地溝の水文特性について解析を進める予定である。