稚咲内湖沼群の水文特性 湿地溝の水文特性 湿原の微気象 泥炭地の地表面変動 保全ボランティアと環境教育
    湿地溝の水文特性  インドネシア熱帯泥炭地  
調査研究の目的

 サロベツ湿原の最大の特徴であるミズゴケを中心とした高層湿原域は、湿原西側からのササ群落域の拡大により、その高層湿原としての特質を次第に失いつつある。このササ群落域の拡大は、ミズゴケ湿原における地下水位の低下が原因の一つと考えられているが、ミズゴケ湿原とその周辺の地形から、ミズゴケ湿原から西方向への流出が水収支の大きな要素となっているとみられる。ミズゴケ湿原からササ群落への移行した部分にはいわゆる湿地溝と呼ばれる大小の溝が発達し、西側への水流出に何らかの役割を担っていると考えられているが、その実態は明らかではない。そこでサロベツ湿原のミズゴケ群落の西に広がるササ群落域における水挙動を把握するため、湿地溝が発達している中間湿原域において、地下水位の平面的な挙動を明らかにすることを目的とする。

湿地溝周辺の地下水分布 (2010年)    神谷光彦 2010年10月29日

地下水位水平分布観測に協力いただいた湿原保全ボランティアの皆さん(2010年7月3日、サロベツ湿原ササ群落地帯にて)





 
図‐1 地下水位水平分布(調査地点中央の鉄パイプトップを基準標高3.00 mとした場合の相対標高 単位:m)   
    
     
図‐1 地下水位水平分布(地表面から深さ 単位: m)